連帯保証人から逃れたい

弊社のホームページをみつけてくださったのはB様の奥様でした。

連帯保証人

B様は町工場を経営されており、コロナ以降経営不振に。ご自宅に根抵当権を設定されておりました。年金も受給されていらっしゃる高齢のＢ様夫妻。銀行のサービサーからも破産を勧められ、連帯保証人の奥様は日々不安のなかで日常の家事やお仕事もこなされていました。幾度となく奥様とのお電話でのやり取りのなか、長年にわたり連帯保証人になっている事にとても心労を感じ、何とかこの状況を抜け出したいとおっしゃられます。社長のＢ様自身も破産だけは避けたいとの事です。

自己破産ではなく任意売却

どの方法が正解か、どの方法が一番負担なくまた利益のある道か。。。幾度となくB様家族と弊社、弁護士で話し合いが持たれました。自己破産では、社会保険料が個人名義の為に支払いの義務を免れる事ができません。個人名義であるがゆえに、自己破産しても、元本に遅延損害金の利息がついて膨大に膨らんだ社会保険料をずっと払い続けないといけないのです。

法人名義ですと自己破産の場合、支払い義務は免れます。また、今回のケースでは奥様が連帯保証人となっていらっしゃるので奥様も破産者となります。破産となると弁護士費用が発生します。どちらが正解か。。。慎重な考えの元、任意売却をご決断されました。

販売活動

そこから弊社の販売活動が始まりましたが、銀行からの返済猶予も迫っておりあまり時間をかけられません。また、社会保険料もしばらく滞納され、月々数千円の返済されていましたが、いつ差し押さえされるかも分からない状態です。

Ｂ様のご自宅は左京区の閑静な住宅地にありました。また、全面道路も広く整形な土地でした。Ｂ様自身も以前、大手の不動産買取業者に打診されたそうですが、買取価格が予想していた価格よりも随分安かったそうです。一般的に買取を謳っている不動産業者に依頼されると市場価格の2割は安く買取りとなります。

譲渡所得税

こちらのケースでは、売買で得られる金額は最低でも銀行返済額に社会保険料、譲渡所得税を盛り込んだ数字にしなければなりません。弊社としても簡単ではない案件でしたが、懸命な交渉の末、無事に全てを盛り込んだ金額で売買できました。また、ご高齢の為、住宅の残置物も猶予していただいた引渡となりました。

引渡の時期もB様がお決めになり、次の住まいも任意売却期間中に探されていました。奥様はようやく連帯保証人から外れられると安堵されていました。とても重いご決断と、ご高齢にありながら環境を変えられるということ。

長年にわたり、会社を経営され、従業員を雇い、納税され、家族を育まれてきたB様夫妻。社会保険料のあまりの高額さや遅延損害金の付き方は消費者金融以上に感じます。元本はもとより遅延損害金も全額返済できなければ、破産を勧めてくる役所。真面目に労働し生活されてきた方が、家を手放す。これは個人の責任ではなく、日本の政治の劣化が市井に表れている結果だと思います。